子どもにビジネスを学ばせよう!「一日起業家」プログラム

子どもたちがビジネスを学ぶ入り口

 アメリカの春から初秋にかけての風物詩と言えば、レモネード・スタンドかもしれません。子どもたちが自宅の前庭などにテーブルを設置し、何かの目的達成のために手作りレモネードを販売して資金を稼ぐのですが、これがアメリカの子どもたちにとって、始めて人からお金を貰うという経験になることが多いのです。

 そんなレモネード・スタンドと同類の機会を組織規模で全米に広め、子どもたちにビジネスを学ばせる機会を提供している団体が注目されています。これはテキサス州オースティンを拠点とするActon AcademyとActon MBAプログラムの共同事業で、「小さな教育機関が始めた、子どもの未来と世界を変える革命」と呼んでいる活動のひとつ。「Children's Fair」と呼ばれる小さな「一日起業家」たちの青空市場活動は全国に広まり、現在では世界12カ国、約120都市の自治体とボランティア組織が同活動を支援するまでに成長しました。

大人も目を見張る!子どものビジネス・アイデア

 子どもたちは各々のビジネス・アイデアを形にします。与えられたブースを使って、子どもらしい発想で様々なものを販売するのですが、先述のレモネードや絵、クラフトグッズを作って販売する子どももいれば、靴磨きやヨガ指導などのサービスを販売する子どももいます。なかには自分が開発した発明品やアプリの販売権、代理店の権利を販売する子どもまでいるというので驚きです。

 参加者全員ではありませんが、商品やサービスを販売してお金を稼ぎたい動機を、ポスターなどで紹介している子どもたちもいます。例えば「自分の所属するサッカー教室で使うサッカーボールを購入するため」「学校の合唱部が隣州の合唱コンクールに参加するための費用」「お兄ちゃんが大学に行きたいのにお金が足りないから、その資金を助けたい」というものまで様々ですが、子どもたちに「社会と自分とのつながりとお金の持つ意味」を学ばせる良い機会になっています。

 現時点では、日本ではこのムーブメントに参加している団体はまだないようですが、日本の子どもたちにも、大人がこうした機会を支援して作ってあげてはどうでしょう? 「我こそは!」と思う方は、一度参加してみたらいいかも知れません。

https://www.childrensbusinessfair.org/