子どもが社会還元を学ぶプログラム、「ペニー・ハーベスト」とは?

「社会」と「自分」のつながりを学ぶ、新しい方法

 「地球環境や社会と自分とのつながり」を小さな頃から意図的学ばせる環境作りも、現代社会には必要な要素と言えるでしょう。アメリカではそんな「学び」の一環として、『ペニーハーベスト・プログラム』と呼ばれるプログラムがあります。

 これは1991年に設立されたThe Common Centsという非営利団体が運営するプログラムで、長い活動実績があります。プログラムは約1年間をかけて行うようにデザインされており、参加対象となるのは4歳から14歳までの子どもたちです。

 子どもたちは、まずペニー・ハーベストでプログラム運営のためのトレーニングを受けたファシリテーターと共に活動計画を立て、自分の住む地域の課題を徹底的に調査します。その課題に対して取り組む個人や非営利団体、企業などを訪ねて、必要があればフィールド・スタディを実施。その上で寄付や支援が必要な団体をリストアップし、最終的には自分たちで支援計画を立てて募金活動を行います。

 社会の課題に意識を向けることの大切さや、寄付先を主体的に考え、実際に寄付やボランティア活動を行うことは、子どもたちに「社会の一員としての自覚」を学ばせる素晴らしい機会になります。この活動が実践される街では、コミュニティ全体がペニー・ハーベストの活動に協力することで、子どもたちの学びを助けるそうです。現在この活動は、同団体の所在地であるニューヨークを中心に展開されています。他州ではコロラド州、カリフォルニア州ロサンゼルス市、オハイオ州の一部。プログラムのファシリテーターは他州からも応募があるそうです。

1年間の学びの後は、実際に社会に還元する

 この活動が素晴らしい点は、1年間のプログラムを終えた子どもたちの多くが、さらに社会のために何かを還元しようと自主的に動くようになることです。たとえば昨年には、ニューヨーク在住で同プログラム受講経験のある子どもたちが数人集まって、コミュニティー・ガーデンへの植樹をしたり、移民の英語教育支援がプロジェクト化されたそうです。

 学び、経験、社会還元がすべて一連の流れで学べる同プログラム。こうした取り組みはSDGsを誰もが考えねばならない時代だからこそ、ますます必要になっていくでしょう。

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