みんなのジェネラボ02:西村和弘氏

次世代に残したい、世界につなげたい、日本伝統の前掛け

 次世代に残したいものがある、伝えたいことがある……そんな想いで活動されている方々を井垣伸子センター長がインタビューするシリーズ。第2回目は、有限会社エニシング代表取締役社長 西村和弘氏にお話を伺いました。

みんなのジェネラボ・ポイント(井垣センター長コメント)

 西村和弘さんは、室町時代から伝わる日本伝統の前掛けの製造が、途絶えていることを知り、前掛け屋になることを決意し、2年間の研究期間を経て、江戸時代に使用されていたのと同じ伝統的な前掛けを製造することに成功したという方だ。

 2019年には自社工場を建設して、国内外への営業を開始。海外で最初に営業に乗り込んだのは、ニューヨークだった。予め、NYの数店舗のロゴ入り前掛けを勝手に作って持参して回ったところ、最後の一店でその店のオーナーに直接手渡すことができて、感激されて、注文をもらった。海外でも少しずつ売れ始め、今や、国内7割、海外3割の販売量だという。ちなみに、NYのMOMAのショップでも、同社の前掛けが売られている。

 最近では、世界一の物品展示会メゾン・エ・オブジェに、毎年、出店しており、海外でも、MAEKAKEと表記されるようになってきている。2021年には、007映画「No Time to Die」で、準主役のQが、エニシングの前掛けを身に着けたことで、話題を呼んだ。消えゆく日本伝統の前掛けに、息を吹き込んだ西村さん。なぜ賭けようとしたのか。みなさんにそんな西村さんの物語を是非知っていただきたいと思う。

西村和弘プロフィール

1973年生まれ。大学卒業後、江崎グリコ株式会社に就職。6年目に独立開業。
漢字Tシャツを企画販売していたときに、日本に残る'前掛け'の産地・愛知県豊橋に出会い、前掛けの企画販売をスタート。 本格的な帆前掛けが、同社サイトにて一枚からオーダーすることができる。アメリカ、イギリス、フランスなど海外でも活動中。

公式サイト

http://www.anything.ne.jp/index.html