自分がやりたいことの座標軸を見出す

星久人 (株)ベネッセホールディングス特別顧問

 昨今は人生が長くなったので、後半の人生を如何に過ごすかが、極めて重要になってきたかと思います。平均寿命が60~70歳前後の時は、走っている人生を止める間もなく、そのまま天国にゴールインでした。今は違います。50代の踊り場を迎え、後半の人生はその人の気持ちの持ち次第で様変わりする可能性があります。様々なしがらみから解放され、誰にも干渉されることなく好きなことに集中できる、開かれた世界が待っているのではないでしょうか。

 まずは、本来の自分自身に戻り、一体、自分は何をやりたいのか、何に打ち込めば楽しいのか、満足するのか、自分の座標軸を見出していく必要があります。その結果、今と同じ仕事を選ぶ方もいるでしょう。やりたいと思っていた趣味の世界に入っていく方もいるでしょう。各人各様で、自分にしか分かりませんが、それを発見出来たら、あとは充実した毎日がやって来ると思って間違いないでしょう。

 私は人間が好きなので、人と会うのが苦にならず、むしろワクワクしながら人とお会いして、人とのご縁を大切に過ごすようにしています。そこから縁が拡がり、自分の世界がどんどん広く深くなっていきます。その意味で健康でないと、人と会い、行動することもできないので、身体のケアに最重点を置き、生活しております。

 「悔いのない人生」を送るために、早く自分の天職を見つけ、人生後半を楽しく過ごしましょう。

人間が好きだと話す、ソニー株式会社で元特別理事・秘書役も勤められていた星さん

星久人さん プロフィール:
東京大学法学部卒、東京都出身。元ソニー特別理事・秘書役。盛田昭夫氏の補佐役となり、以後ソニーの歴代トップを支えた。ベネッセホールディングス特別顧問。75歳。

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