松井 龍(一般社団法人ミライ代表理事)
出版おめでとうございます!
ジェネラビティ・ラボの発足当初から活動を応援させて頂いている者のひとりとして、みなさんが長い時間を掛けて企画されてきた成果がいよいよ形になったことを本当に嬉しく思っております。
50代という年齢は、人生100年時代を生きる私たちにとっての中間点であり、同時に新しい出発地点でもあります。生きることはバランスを取ることだという話を聞いたことがありますが、良い人生であっても困難な人生であっても、人生という長いレールの上のバランスは、結局最後にはイーブンになる。人にしたことは、良いことも悪いことも全て自分に返ってきます。
あるアメリカの心理学者が、「年を取ると、自分が若い頃に必死で手に入れようとした物を必死に減らしたり、なくすことを考える。でも年をとった自分が持たないものを想像するのは難しい。だから自分が若い頃に頭に描いていた自分と、年をとった今の自分が大きくかけ離れていると、愚痴ばかり言うようになる」と言っていました。それを聞いたとき「これって、自分のこと?」と思ったのですが、大抵の男性がこれに当てはまるのではないでしょうか。自分の未来を予想する想像力が欠如しているのは、男性に多いと思うのです。
一方、女性は真が強く、想像力も豊かです。本書に登場する「姉たち」は昭和の激動期を生き抜いてこられた女性たち。その姉たちが「妹たち世代」に向けて、「自分というものを強く意識して今後の50年を生きていって欲しい」という提言をされているのは素晴らしいと思います。「自分とは何か」を見つめることは簡単ではありませんが、50歳からが本当の自由を得られる人生です。妹世代のみなさんにはぜひ大きく羽ばたいて人生を謳歌し、その後でそこで得た話を次世代に伝えに帰ってきてほしいと思います。
そして自分も、「次世代継承なんておこがましい」とか「仕事を引退後、どのように余生を過ごしたらよいのか分からない」なんて言う老人にはならないよう、切磋琢磨していかねばと思っております。
第2弾、3弾も楽しみにしております!