自分の思うことを言い続けよう

大竹真二(株式会社moi代表取締役 /ランプ株式会社代表取締役)

 『50代からの生き方のカタチ——妹たちへ——』の刊行、おめでとうございます。日本女性の半数以上が50歳以上となった今、これから頑張らなければならないのは、この世代から上の人たちだと思います。

 年の重ね方は人それぞれ。なかには「若い時に戻りたい」と言う人もいますが、僕にはそんなことはみじんも思いません。年を重ねてからは、上の人から怒られることもなくなったし(笑)、なんでも好きなことが言えるし、とても過ごしやすくなったと感じています。

 年を取れば「自分ができないこと」も増えます。以前のようには走れなくなったり、テキパキと動けなくなったり。でも僕は、「〇〇ができないことが嫌だ」「やるからには負けたくない」と思っていた若い頃よりも、今の方がずっといいと思っています。「もう走れない」ではなく、「走ると苦しいから、走らない」(笑)。人の目を気にすることをやめて、荷物を下ろしたら、とても生きやくなりました。毎日、楽しいです。

 その上、今は誰でも発信できる時代です。言いたいことがあれば、誰でもそれを発信できます。僕はどこか閉鎖的になった、住みにくい世の中に向かうのを食い止められるのは、人数の少ない「若者たち」ではなく、僕たちの世代から上、つまり「年寄りががんばらないと世の中が良くならない」と思っています。何か想いがあるなら、それを口に出しましょう。口に出さなければ、誰にも何も伝わりません。人の目など気にせずに自分が思うこと、思ったことを言い続けましょう。大事なことを言い続けることは、次世代継承のひとつのカタチだと思います。

おもしろいことが好きと話す大竹真二さん。映画やTV番組の制作や編集作業を長年手掛ける

大竹真二さん プロフィール:

昭和のど真ん中(30年代)に栃木県足利市に生まれる。フリーランスの映像ディレクターを経て、1995年にデジタル映像技術に惹かれポストプロダクション、株式会社モイを設立。2013年に映像コンテンツ制作を手がけるランプ株式会社を創設。2018年には、東京以外での可能性を模索してCG制作スタジオ、V-CON株式会社を地元足利市に開設。映像作りの分野で職人気質な人たちの働く舞台作りに生きがいを感じているが、まだまだ未熟。
株式会社モイhttps://www.moi.co.jp/
ランプ株式会社https://www.lamp-kk.com/
V-CON株式会社http://www.vcon.co.jp/

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